■ 研出蒔絵  作例 ■ (小野小町歌仙蒔絵)


   【制作者からのひと言】 下図と書の本歌は探幽(絵)と光悦(書)
                多くある歌仙絵の中でも、探幽の繊細で明確な描線、人物の性格までも表そうとしている描写力にほれています

 






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1 粉入れ漆で書いた所に金を蒔きいれる 2 骨書きの金線の粉入れを終える 3 着物の柄を描きいれる (割紋 この所は亀甲囲みの花菱文) 4 着物の柄を描きいれる(花柄は色漆で付けを 持たせて描き地蒔きと同じ金粉を巻き付ける)

5 地紋様が乾いてから、その上から地塗りをし金を地紋が見えるように少しだけ薄めに蒔く 6 十二単の所の塗り込み(爪盤の上で白漆と朱漆を調整し混ぜ合わせながら) 7 乾いてから内袖のところに梨地粉を蒔く色漆が 8 拡大画像

9 塗り込みの漆が乾いたところ 10 残りの重なりの下になる所に漆を施し金を蒔く 11 はっかけ(陰影表現の為に濃淡蒔き)の個所を蒔き終えた所 12 塗込用の朱漆を漆盤上で、朱合漆と顔料を練り合わせ調製している所

13 色漆の塗込み(右隣の塗り込みを終えていない所へはみ出さないように気をつけて) 14 塗り込みを終え漆を乾燥(6時間以上かけて乾かす、湿めが強く早すぎると色の発色が悪くなる 15 5日ほど乾かしてから、荒研ぎにかかる 16 裾衣の炭での研ぎ(雲霞の梨地粉が少し見えてきた)

17 コンパウンドによる磨き 18 拡大画像 19 水で濡らして砥ぎあがりを確かめる 20 全景 髪を黒漆で書き入れて乾かしたところ

21 全景 髪を黒漆で書き入れて乾かしたところ 22 小野小町の詠み歌「花のいろはうつりにけるな・・・」の文字を書きいれ金を筒蒔きしている 23 乾燥後に摺り漆を施し、鹿皮に磨き粉をつけ磨き金色を出す 24 髪の毛を黒漆で厚みを持たせ書き上げたところ

25 細い上絵を描き入れるための下準備として綿で摺り漆をかける 26 余分な漆を和紙の揉み紙で拭き取る 27 上絵工程前 28 髪の毛の細い上絵を描く(描く筆はねずみの本根朱筆)

29 仕上がり
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30 扉の裏面(金雲霞) 31 裏面の霞の砥ぎ 32 31の仕上がり